アタッチメントと注意

少し前に研修で話したことを補足した文章を書きましたので、こちらにも転記します。3.はさらにその補足です。 通常、子どもは危機的状況になると、保護と安心を求めるアタッチメントシステムが動き始めます。この仕組みが動き始めると、危機的状況について、自分のニードについて、アタッチメント対象についての注意が向けられます。つまり、今起きている危機的状況がどのようなものか、自分がどんな感情を経験しているか、アタ...

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先生のための30分アタッチメント講座

今年度はスクールカウンセラーの研修を引き受けることがいくつかありまして、学校の先生向けにスクールカウンセラーが研修会を行うとしたら、どのようなことを話すと良いかという想定の元で、動画を作成してみました。内容に特に著作権はありませんので(イラストは自作ではないので転用しないでください)、使えるようであればご自由にお使いください。 途中アタッチメント障害(愛着障害)の話をしていますが、これは反応性のア...

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分離の影響

社会的養護においては、ショートステイ、一時保護、施設養護など、子どもが養育者との分離を伴う経験を持つことがしばしばです。そのことの長期的な影響について質問をいただきまして、これはアタッチメント理論の基本的な問題ですので、ここで回答したいと思います。 そもそもBowlbyがアタッチメント理論を作り上げていく必要性に駆られたのが、乳幼児期の分離と喪失の経験による影響の知見でした。アタッチメント理論とは...

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プレイセラピーの視点

去年だったか、アタッチメントと遊びについて書いたことがあります。 遊びとアタッチメント 最近プレイセラピーに接する機会が続いているので、遊びそのものというよりもプレイセラピーについて書いてみたいと思います。私自身はプレイセラピーをしないので、プレイセラピーに関する理論的な考察のようなものです。子どもの遊びを見る視点の1つとして、活かせるものがあればと思って書いています。 プレイセラピーに関して私が...

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米澤氏の「愛着障害」本について:理論編

「愛着障害(ハート)愛着の問題を抱えるこどもを同理解し、どう支援するか?」を読みました。どうしてハートなのでしょう。 最初に触れておきますが、この本に出てくる問題はどれも愛着障害(アタッチメント障害)とは言えません。何度でも言いますが、こういうのは愛着障害(アタッチメント障害)概念の乱用(abuse)ですので、概念をこういうふうに使うその時点で、事実に誠実ではないのだなと思います。 以下ではこれを...

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「愛着障害」に関する生産的でない仕事

数日前にlivedoor NEWSにこのような記事が現れたようです。 安易な「大人のADHD」診断に医師が危惧「特性」が「障害」扱い 精神科医の岡田尊司氏による記事ですが、2021年になっても同じようなことをしているのだなと思って、生産的ではありませんが、批判するべきことを批判しておこうと思います。 「大人のADHD」安易な診断、薬物治療は禁物? 先天的以外の原因は 「あれっ、ない!」「えっ、もう...

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アタッチメントの話 03

ここからが、臨床的なアタッチメントの話の中心部分というか、概論部分になります。私なりにアタッチメントの話を支援や治療の場でどのように活かすことができるのか、ということをまとめた話です。 今回はアタッチメントの問題が行動問題につながっていく、発達的な説明をしています。発達的といっても、発達段階について細かく触れているわけではなく、ざっくりと乳幼児期にアタッチメント問題を抱えることが、児童期以降の適応...

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アタッチメントの話 02

アタッチメントについて学ぶための動画の第2弾です。規準的なアタッチメントの話をしています。ゆっくり話しすぎて眠たいので、そのうち撮り直すかもしれません。 この動画は子どもや大人の支援に関わる人のために制作しています。子どもを育てる親や、親との問題を抱えた子どもや大人に向けて作成しているものではありません。ご注意ください。 ここで話していることの大部分は、すでに出版した本の中で書いてあることです。そ...

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男の子たちの性被害

昔から漠然と感じていたことで、最近になってやっぱりそうなのかな、と思うようになったことなのですが、男の子と女の子には性の露出という点で大きな違いがありますよね。大人になった男性と女性でも差がありますが、幼少期から男の子と女の子は性的な事柄に対して異なる態度を発展させるし、大人の側もこれについて異なる扱いをしています。一般的な傾向としてですが。 これについて、女の子の方が性についての社会的、構造的な...

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Vrewによる字幕付け

最近、動画に字幕をつけるようになってきました。仕事の必要性から始めたことですが、オンラインの素材が増えていくにつれて、情報アクセシビリティを考えると、字幕の需要は増えこそすれ、減りはしないと思うのです。クローズドキャプションにして、表示させたり消したりできるようにした方がよいのでしょうが、ちょっとそこまでは手が回りません。 ともかく字幕をつけることを優先すると、できるだけ簡単に、できれば自動化させ...

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