以下の記事の続きです。
研究会をハイブリッドで行うにあたって、オンラインの参加者に音声がはっきりと聞こえるように、発表者・司会者用のマイクと、フロア用のマイクを別に用意しました。フロア用のマイクは手渡しの時間を省けるように、ワイヤレスマイクを用い、1台の受信機で2台のマイクを使える機種(最近で言うと、Lark 150、WIGOII、Blink 500など)を使用する設定を取りました。
その結果、発表者・司会者用マイクとして1本、フロアマイクとしての2本を1つの受信機に送る、ということで、パソコンへの音声の入力が2系統になりました。
ところが、zoomなどのビデオ会議システムはマイクをどれか1つにしか設定できません。そのため、この2系統を1つにまとめる必要があります。
1つのやり方として、パソコンに入力する前に2系統の音声入力をミキサーにつないで、そこからパソコンに入力をするというやり方があります。ただし、一般的なミキサーは音楽用で、そのために接続が特別なケーブルを使っています。手軽に使える3.5mmジャックやUSBはほとんどサポートされていないか、1系統分しか用意されていません。また、研究会に持ち運ぶ荷物が増えることにもなります。
3.5mmジャックだけの3系統入力1系統出力で良ければこういったものがあります。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-12109/
同じものの出力がUSBのものです。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-12308
他方、パソコン上で音声をミックスすると、パソコンへの負荷はかかりますが、荷物は減らせます。このために用いるのが、ソフトウェアミキサーです。
大げさなものはいくつもありますが、ここでは単に音声を1つにまとめるものとして、LadioCastを使ってみたいと思います。ちなみにこれは、Mac用のソフトウェアです。Windowsの場合、Windows 10に標準のステレオミキサーが使えるのでしょうか。分かれば追記します。
ただし、これだけでは動きません。仮想オーディオデバイスソフトウェアのSoundflowerもしくはBlackHoleもインストールします。後者の方が新しいのでお勧めです。
1.BlackHoleをインストールする
こちらにアクセスし、メールアドレスを入力すると、ダウンロードリンクが送られてきます。
https://existential.audio/blackhole/
2ch版と16ch版があると思いますが、16ch版が一般的に使われています。
ダウンロードしたらインストールしてください。以前に自動文字起こしの記事を書きましたが、その時のように複雑なことをしようと思うと、設定は必要ですが、今回は必要ありません。
2.LadioCastをインストールする
ダウンロードとインストールはAppストアから。
https://apps.apple.com/jp/app/ladiocast/id411213048?mt=12
3.LadioCastの設定
これら2つで何をするかというと、以下のような流れを作ります。
LadioCastで2系統のマイク入力をBlackHoleに出力します
このBlackHoleをzoomなどのビデオ会議システムでマイクとして選択します。
具体的にはこう設定します。
「入力1」「入力2」でマイクを指定します。ここでは以前の記事の通り、Yetiのマイクとビデオキャプチャデバイスからの音声入力を指定しています。「出力メイン」にBlackHole 16chを指定しています。
その後、zoomなどのビデオ会議システムでマイクとしてBlackHole 16chを指定します。
以上で終わりです。話は単純であったと思います。
実際使ってみての感想は次回の記事で書いてみたいと思います。